12/18 東京現音計画#13~プロデューサーズセレクション 1:国塩哲紀

東京現音計画が、なんと“クラシック音楽”の現役プロデューサーとタッグを組む、ミニマル・ブラスな室内楽の宵

21 世紀に入って現代音楽の世界では、用いられる音楽的語法がますます豊かになり、その結果として数多く の作品が生み出されていますが、日本に最新の動向が紹介されるにはまだまだ時差があります。一方、20 世紀 の歴史的な作品のなかには、準備の困難さから日本での上演が実現しないものも多く残されています。さら に、日本の現代音楽作品は、ごく一部の作曲家の作品を除けば、海外にはほとんど紹介されていないのが現状 です。東京現音計画は一定の視座からの演奏会のプログラミングを通じて、そうした日本の状況に演奏する立 場から一石を投じる活動を続けています。
2019 年後半の主催公演では、とりわけ現代音楽のエッジにこだわりながら、作曲家、演奏家、批評家など による様々な選曲企画を積み上げてきた東京現音計画が、なんと“クラシック音楽”の現役プロデューサーを迎 えてコンサートに挑みます。登場するのは、東京オペラシティで「コンポージアム」「武満徹|Visions in Time」「アンサンブル・モデルン来日公演」などを手がけ、現在に続く日本の現代音楽公演の 1 シーンを築 き、現在は東京都交響楽団の個性的なプログラミングや、広島ウインドオーケストラでの日本の吹奏楽演奏史 に残る興味深い選曲で知られる国塩哲紀。そう言われれば、小さな吹奏楽、マイクロ吹奏楽といえなくもない 東京現音計画の名プロデューサーを迎えての新展開、必見です!

日程:2019年12月18日(水)19:00開演(開場30分前)
会場:ヤマハ銀座スタジオ
(東京都中央区銀座7-9-14ヤマハ銀座ビル地下2F)
https://www.yamahaginza.com/access/

プログラム監修:国塩哲紀

演奏:東京現音計画 
 メンバー:有馬純寿(エレクトロニクス)、大石将紀(サクソフォン)、神田佳子(打楽器)、黒田亜樹(ピアノ)、橋本晋哉(チューバ)

【プログラム】 
スティーヴン・ブライアント《Hummingbrrd》バリトンサクソフォンとエレクトロニクスのための(2015)
マイケル・ドアティ《ウォーク・ザ・ウォーク》バリトンサクソフォンとパーカッションのための(2005)
中橋愛生《内なる歌》無伴奏C管コントラバス・チューバのための(2012)
カレル・フサ《ピアノソナタ第2番》(1975)
テリー・ライリー《トレッド・オン・ザ・トレイル》 東京現音計画版(1965/2017)
平石博一《パラレル・ミュージック》サクソフォン、チューバ、ヴィブラフォン、ピアノ、エレクトロニクスのための(2019委嘱初演)
※曲目は企画の主旨に添って変更になる場合があります。

【チケット】
全席自由 前売一般3000円、前売大学生・専門学校生1000円、当日3,500円(税込)
高校生以下無料(要予約。問い合わせ先のメールアドレス宛にお申し込みください)

チケット取り扱い:Confetti(カンフェティ)
Web:https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=54920&
フリーダイヤル:0120-240-540(平日10:00~18:00)
発売開始:2019年9月30日(月)10:00〜
*Web、フリーダイヤル限定のお得な「カンフェティ席」あります! 前売一般券が500円引きで、10/31までの数量限定先着順。急いで!

問い合わせ:東京現音計画事務局(ナヤ・コレクティブ)
メール:nayac@mc.point.ne.jp
電話: 050-5532-5022(平日15:00~19:00)

主催:東京現音計画
助成:公益財団法人 野村財団、公益財団法人 朝日新聞文化財団、芸術文化振興基金助成事業、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京

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プログラムの監修にあたって 国塩哲紀

今回の東京現音計画のプログラムは、“主に吹奏楽曲で知られる作曲家の室内楽曲”によるコンサートを作ってみたらどうなる?という、いたって素朴な発想から生まれました。
 ブライアントも、ドアティも、中橋も、フサも、もちろん“吹奏楽専門”の作曲家ではありませんが、吹奏楽ファンによく知られた名前。高難度の作品で知られる彼らが書いた独奏曲や室内楽曲も聴いてみませんか?というお誘いでもあります。
 後半は東京現音計画の独特な編成を活かして、ミニマルミュージックの達人2人の作品でさらにエンターテイニングに。テリー・ライリーのおおらかさと、孤高の作曲家・平石博一(素晴らしい吹奏楽曲も書いている)の精密な美しさは耳の喜びであり、聴いているうちに、音楽にカテゴライズなど不要だと思えてくるに違いありません。そしてそれこそが、このプログラムのいたって素朴な願いなのです。