07/14 東京現音計画#07〜クリティックズセレクション1:沼野雄司

東京現音計画#07〜クリティックズセレクション1:沼野雄司
日時:2016年7月14日(木)19:00開演(18:30開場)
会場:北とぴあ つつじホール(東京都北区王子1-11-1)

プログラム監修:沼野雄司

プログラム(4/29更新):
1)Steve Reich (1936-), Pendulum Music for 3 or 4 microphones, amplifiers and loudspeakers
スティーヴ・ライヒ《振り子の音楽》(1968)

2)Paolo Castaldi (1930-), Elisa Per Pianoforte
パオロ・カスタルディ《エリーザ》(1964/67)

3)Chaya Czernowin (1957-), Die Kreuzung for Accordion, alto saxophone, and Tuba
ハヤ・チェルノヴィン《十字路》(1975)

4)Christian Wolff (1934-), Exercise 5 for 2 or more players
クリスチャン・ウォルフ《エクササイズ5》(1973-4)

5)Horaţiu Rădulescu(1942-2008), The Origin for one pecussionist with two bass drums
ホラチウ・ラドゥレスク《オリジン》(1997)

6)Joakim Sandgren (1965-), Objets saisis pour saxophone et ordinateur
ヨアキム・サンドグレン《押収品》(2011-2012)

7)Svetlana Lavrova(1970-), Gravity for oboe, saxophone and electronics
スヴェトラーナ・ラヴロヴァ《重力》 (2013)

8)Louis Andriessen(1939-), Workers Union for any loud-sounding group of instruments
ルイ・アンドリーセン《ワーカーズ・ユニオン》 (1975)


出演:東京現音計画
メンバー:有馬純寿(エレクトロニクス)、大石将紀(サクソフォン)、神田佳子(打楽器)、黒田亜樹(ピアノ)、橋本晋哉(チューバ)
客演:宮村和宏(オーボエ)、大田智美(アコーディオン)

主催:東京現音計画
助成:公益財団法人野村財団、芸術文化振興基金助成事業
後援:公益財団法人北区文化振興財団
制作:福永綾子(ナヤ・コレクティブ)

チケット:前売3000円、大学生・専門学校生1000円(税込)、当日 各種一律3500円、高校生以下無料
※大学生以下は学生証等の提示が必要です。
※未就学児の入場はご遠慮ください。
※車椅子席をご希望の方は事前に問い合わせ先までご連絡ください。

発売開始:2016年4月11日(月)
ほくとぴあメンバーズ先行割引発売:2016年3月31日(木)〜

予約・問い合わせ:東京現音計画事務局(ナヤ・コレクティブ内)
チケットオンライン:http://www.purple.dti.ne.jp/naya/tickets/
メール:nayac@mc.point.ne.jp
フリーダイヤルでのご予約:Confetti(カンフェティ)0120-240-540(平日10:00〜18:00)
※オンライン、フリーダイヤルでのチケットの支払/受取は、お近くのセブン-イレブンになります。
カードでの決済も可能です。発券手数料はかかりません。

北とぴあ1階チケット売場(窓口のみ10:00〜20:00)

【プログラム監修者より】
新たな抵抗へ向けて Toward Another Resistance

現代音楽とは、何らかの抵抗の謂いである。
 このテーゼが間違っていないならば、それはすなわち最広義においての政治運動に他ならない。かつて「政治と音楽」は大きな主題として我々の前に横たわっていた。政治的なテーマによる作品が多く書かれたというだけではない。重要なのは、社会との関係を検討する中で、あるいは社会とのさまざまな摩擦を経験する中で、音楽という行為の根源を問うような作品が次々に産みだされた点にある。してみると、その後の創作界の「沈滞」の一因は、音楽が政治性を喪失した点にも求められるのではなかろうか。あれから世界の見取り図は大きく変化したけれども、ようやく新しい政治の時代が到来している感触がある。それは単なる右・左といった枠組みを越えた、重層的な抵抗運動を形成するだろう。「東京現音計画」という奇怪な編成のプロジェクト自体、その一端にちがいない。
 今回の演奏会の前半では、かつての「政治の時代」を象徴する1968年前後に書かれた問題作を、後半では90年代以降に書かれたラヴロヴァやラドゥレスクの、いずれもきわめてラディカル=根源的な響きの作品を並べた。全体のプログラムの中から、新しい抵抗の形が浮かびがってくることを祈りつつ。

2015年11月
沼野雄司

沼野雄司 Numano Yuji
東京芸術大学博士後期課程修了。博士(音楽学)。主な研究領域は20〜21世紀音楽。
主な著書に『リゲティ、ベリオ、ブーレーズ 前衛の終焉と現代音楽の未来』(音楽之友社、2005年)、『光の雅歌 西村朗の音楽』(春秋社、2005年、共著)、『日本戦後音楽史 上・下』(平凡社、2007年、共著)など。国内外での学会発表のほか、音楽批評、演奏会・CDライナー解説の執筆、音楽祭の企画・監修、コンクールの審査員、オーケストラや演奏活動の公的助成審査などに幅広く従事。2008年から2009年にかけてハーヴァード大学客員研究員。