東京現音計画#22~コンポーザーズセレクション8:木下正道 密やかさの探究 〜無音よりさらに深い静けさへ向けて〜

photo: Atsuko Ito

ひとりの作曲家にプログラム監修を託す「コンポーザーズセレクション」に、木下正道が登場。
エレクトロニクスの即興演奏家としても活躍する異才が選んだテーマは「密やかさの探求」。
独自のダイナミズムが生み出す精緻な音響世界、必見!

日程:2024年12月5日(木)19:00開演
会場:杉並公会堂小ホール
(東京都杉並区上荻1-23-15)
https://www.suginamikoukaidou.com/access/

プログラム監修:木下正道

プログラム◉
木下正道《ただひとつの水、ただひとつの炎、ただひとつの砂漠 IV》サクソフォン、打楽器(2018)
ジョン・ゾーン《ダーク・リバー》バスドラム、エレクトロニクス(1995)
大友良英《カソード》東京現音計画版初演(1999/2024)
ルイジ・ノーノ《ドナウのための後前奏曲》チューバ、ライブ・エレクトロニクス(1987)
杉本 拓 委嘱新作初演(2024)
佐原 洸《蘇芳香》バリトンサクソフォン、ダブルベース、エレクトロニクス *チューバ版初演(2021/2024)
木下正道 委嘱新作初演(2024)

Program
Masamichi Kinoshita: Une même eau, un même feu, un même desert IV (2018)
John Zorn: Dark River (1995)
Otomo Yoshihide : Cathode *Tokyo Gen’On Project version W.P. (1999/2024)
Luigi Nono: Post-prae-ludium per Donau per tuba e live electronics (1987)
Taku Sugimoto: no title forever (2024 commissioned, W.P.)
Ko Sahara: Suoko *tuba version W.P. (2021/2024)
Masamichi Kinoshita: new work (2024 commissioned, W.P.)


演奏:東京現音計画 
有馬純寿(エレクトロニクス)、大石将紀(サクソフォン)、神田佳子(打楽器)、 黒田亜樹(ピアノ)、橋本晋哉(チューバ)


舞台監督:鈴木英生(カノン工房)
照明:菅勝治
制作:福永綾子(ナヤ・コレクティブ)
フライヤー&ロゴデザイン、写真:松蔭浩之
協力:東京音楽大学、有限会社ハリーケン、モモ・カンパニー

主催:東京現音計画
助成:芸術文化振興基金助成事業
   公益財団法人野村財団
   公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 [東京芸術文化創造発信助成]


チケット(税込):全席自由
前売 一般3000円、大学生・専門学校生1000円
当日 3500円
カンフェティ割 2500円(カンフェティ取扱限定、先着順)
高校生以下無料(本番前日までに問い合わせ先のメールアドレス宛にお申し込みください)
2024年9月30日(月)10:00発売開始

*学生券は入場時に学生証等の提示が必要です。
*未就学児の入場はご遠慮ください。

チケット取り扱い:カンフェティ(9月30日(月)10:00発売開始)
【URL】http://confetti-web.com/@/tgk22
【電話】050-3092-0051(平日10:00~17:00)
・ご予約後、セブン-イレブン店頭にてチケットをお受け取りください。
・チケットレス「レスQ」もご利用可能です。
*数量限定、先着順の割引チケット「カンフェティ割」あります!

問い合わせ:東京現音計画事務局(ナヤ・コレクティブ)
メール:tgkseisaku@gmail.com
電話:050-5532-5022(平日11:00〜18:00)




プログラム監修にあたって:木下正道


「密やかさの探究 〜無音よりさらに深い静けさへ向けて〜」


「沈黙」「静寂」が古今東西の音楽の、重要な要素であることは間違いない。特に近年の音楽で、それらのあり方が様々に探究されるような動向に、私自身大きな関心を持ち続けている。今回の企画を考えるに当たっては、その傾向を私なりに解析し、東京現音計画の類まれな創造性、技術、またチームワークに接続すべく、プログラムを考えた。大友良英やジョン・ゾーンのように、一般的には「沈黙」の作曲家とは見なされていないが、私にとって非常に重要な、また大きな影響を受けた(静寂の)作品を作っている人たちから始め、現在の最前線で自分が特に注目する人たち、即興音楽界ではその名を知らぬものはない、まさに「沈黙的」な音楽の創始者の一人である杉本拓氏に新曲を依頼し、また器楽とエレクトロニクスの過剰なまでの繊細な出会いから密かな音楽を紡ぎ出す若手、佐原洸の作品も取り上げたいと思う。ここに、古典的名作と言って良いルイジ・ノーノの作品を加え、木下の旧作と新作が「現実への窓」として機能するだろう。この演奏会全体を通して、単に「沈黙」「静寂」と言っても、そこには無限の多様性が秘められていることを、現場で生々しく体感して頂きたく思い、今回の企画を提案した。

経歴 

木下正道 きのしたまさみち
1969年、福井県大野市生まれ。ブラスバンドやハードロックの経験の後、東京学芸大学にて音楽を学ぶ。同時期にフリージャズや集団即興、また政治的な内容を多く含むお笑いバンド活動なども行った。武満徹作曲賞などに入選。2023年まで武生国際音楽祭「新しい地平」の運営アシスタントを務める。現在は、様々な団体や個人からの委嘱や共同企画による作曲、優れた演奏家の協力のもとでの先鋭的な演奏会の企画、通常とは異なる方法で使用する電気機器による即興演奏、の三つの柱で活動を展開する。ここ数年は室内楽曲を中心として年間20曲程度を作曲、初演。幾つかの作品や演奏がCD化、また配信されている。また最近は童話執筆も手掛けている。