東京現音計画#20~コンポーザーズセレクション7:野平一郎〜回想のイティネレールと「飽和」(サチュラシオン)

写真:YOKO SHIMAZAKI

プログラム監修:野平一郎

日程:2024年3月22日(金)19:00開演(開場30分前)

会場:かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール(東京都葛飾区立石六丁目33番1号)
https://www.k-mil.gr.jp/institution/access/sym_access.html
京成線青砥駅下車徒歩5分

ひとりの作曲家にディレクションを託す「コンポーザーズセレクション」第7回目は、作曲家・指揮者として日本のクラシック音楽、現代音楽界を牽引し続ける野平一郎が登場。
プログラムされるのは、野平自身が80年代に参加したフランスの著名な音楽グループ「イティネレール」のレパートリーから、脱中央的なまなざしを持つ作品群。
まさに80年代から続く薫陶を全身に受けてきたメンバーが温めてきた渾身の企画、お立ち合いを。

プログラム
ヤン・マレシュ《ティチューブ》チューバのための(2001)
ラファエル・センド《バッドランズ》打楽器のための(2014)
フランソワ・ブーシュ《エコー分裂》エレクトリック・ギターのための(1986)
ヤン・ロバン《5つのミクロリュード》ソプラノ・サクソフォンとエレクトロニクスのための(2005)
ユーグ・デュフール《マティスによる「赤いアトリエ」》エレクトリック・ギター、サクソフォン、ピアノ、打楽器のための(2020)
ミカエル・レヴィナス《空間ピアノのエチュード》(1977/2010)
野平一郎《忘却のテクスチュアI》サクソフォン、チューバ、ピアノ、打楽器とエレクトロニクスのための(2023-2024 委嘱・世界初演)

Program:
Yan Maresz: Titube pour tuba (2001)
Raphaël Cendo: Badlands pour percussion (2014)
Francois Bousch: Fission d’echo pour guitare électrique (1986)
Yann Robin: 5 microludes pour saxophone soprano et électronique (2005)
Hugues Dufourt: L’Atelier rouge d’après Matisse pour guitare électrique, saxophone, piano et percussion (2020)
Michaël Levinas: Étude sur un piano espace (1977/2010)
Ichiro Nodaira: Textures de l’oubli I pour saxophone, tuba, piano, percussion et électronique (2023-24 commissioned, W.P.) 

演奏:東京現音計画 
有馬純寿(エレクトロニクス)、大石将紀(サクソフォン)、神田佳子(打楽器)、 黒田亜樹(ピアノ)、橋本晋哉(チューバ)
客演:山田岳(エレクトリック・ギター)

*出演者、演目は変更になる場合があります。

主催:東京現音計画
助成:芸術文化振興基金助成事業、公益財団法人野村財団、
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 [東京芸術文化創造発信助成]
この公演はサントリー芸術財団佐治敬三賞推薦コンサートです。

ピアノ提供:株式会社ヤマハミュージックジャパン

協力:Editions Henry Lemoine、東京音楽大学、秋山友貴、日本アルバン・ベルク協会、有限会社ハリーケン、モモ・カンパニー



チケット(税込):全席自由
前売 一般3000円、大学生・専門学校生1000円
当日 3500円
カンフェティ割 2500円(カンフェティ取扱限定、先着順)
高校生以下無料(本番前日までに問い合わせ先のメールアドレス宛にお申し込みください)

*学生券は入場時に学生証等の提示が必要です。
*未就学児の入場はご遠慮ください。

チケット取り扱い:カンフェティ
【URL】http://confetti-web.com/tgk20
フリーダイヤル:0120-240-540(平日10:00〜18:00)
・ご予約後、セブン-イレブン店頭にてチケットをお受け取りください。
・チケットレス「レスQ」もご利用可能です。

予約開始:2024年1月22日(火)10:00〜(予定)

問い合わせ:東京現音計画事務局(ナヤ・コレクティブ)
メール:tgkseisaku@gmail.com
電話:050-5532-5022(平日11:00〜18:00)




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ディレクターズノート

回想のイティネレールとサチュラシオン(飽和)

1973年に創設されたスペクトル楽派のグループとして著名な「イティネレール」。だが、常にその話題の中心はジェラール・グリゼーとトリスタン・ミュライユの2人に過ぎず、他の作曲家について語られることは、非常に稀である。音響スペクトルや、電子音響による伝統的楽器の拡張への多様なアプローチを包含していたグループのグリゼー、ミュライユ以外の他の作曲家、特にここでは挑発者・扇動者として、また劇場性への多様なアプローチで知られたミカエル・レヴィナス、常に音楽的探求と哲学的思考とが一体化するユーグ・デュフール、エレキギター奏者としての異色の経歴を持つフランソワ・ブーシュを取り上げたい。彼らはより脱中心的眼差しを持った作曲家であり、その精神は近年のこのグループのプログラミングにも色濃く反映している。
私は偶然このグループのピアニスト・電子鍵盤楽器奏者を10年間(1980-90)レヴィナスの傍らで努めていたが、演奏会のプログラムの選曲は常に電子的技術の発展や、その理論的展開と同時進行していた。そして、こうした影響や流れの中から生まれてきたのが、現在サチュラシオン(飽和)と呼ばれている一群の作曲家である。ここではその代表的な作曲家である、ヤン・マレシュ、ラファエル・センド、ヤン・ロバンにも目を向けたい。また私自身電子音響に最初に出会い、多くを学んだこのグループの若く探求的だった当時の精神を回想し、複数の楽器が相互に電子的な影響を与え合う作品について構想してみたい。


野平一郎


野平一郎 Ichiro Nodaira

東京藝術大学大学院修了後、パリ国立高等音楽院に学ぶ。現在、作曲家、ピアニスト、指揮者、教育者として国際的に活躍する音楽家。第13回中島健蔵音楽賞(1995)、第44回、第61回尾高賞、芸術選奨文部大臣新人賞、第11回京都音楽賞実践部門賞(1996)、第35回サントリー音楽賞(2004)、第55回芸術選奨文部科学大臣賞(2005)、日本芸術院賞(2018)、第52回ENEOS音楽賞洋楽部門本賞(2022)を受賞。2012年春、紫綬褒章を受章。2021年よりモナコ・ピエール皇太子財団音楽評議員を務める。仙台国際音楽コンクールピアノ部門審査委員長。現在、静岡音楽館AOI芸術監督、東京文化会館音楽監督。東京藝術大学名誉教授、東京音楽大学学長。

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「野平一郎 -回想のイティネレールと「飽和」- 

東京現音計画#20〜コンポーザーズセレクション7に向けて

https://x.gd/Tra3Y
日時:2024年2月25日(日)18:00〜(一部チラシで17:00と表示されていますが正しくは18:00開始です)
会場:麻布区民センター講座室
主催:日本アルバン・ベルク協会、東京現音計画
詳細近日発表!




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「託児サービス」サポートについて
当コンサートへお出かけの際に託児サービスを利用する際、費用を負担します。
いくつか条件がありますので、ご希望の方は件名を「託児サービス希望」として下記にお問い合わせください。詳細についてのメールをお送りします。
メール宛先:tgkseisaku@gmail.com(担当:福永)
*このサポートは、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[東京芸術文化創造発信助成]により助成を受けて、東京現音計画が実施しています。